生麩は小麦粉からデンプン質を除いた良質の植物性タンパク質=グルテンのかたまりで、低カロリーで消化吸収の良い健康食品。鎌倉末期時代、肉食を禁じられた僧侶のタンパク源として精進料理に用いたと伝えられる。安土桃山時代には一般的にも使われていたといわれ、いまでも京料理の欠かせない食材の一つとなっている。なめらかな舌ざわりと淡白な味わいは京料理との相性もよく、麩づくり自体が京料理の発展とともに成長していったといえる。また、生麩に蓬や粟、胡麻、蕎麦などを練り混ぜて、彩りと微妙な味の差を楽しむこともできる。
旬 9月 10月 11月