社殿
本殿・拝殿は1633年に徳川家光により再建された。
華麗優美な建築で共に国の重要文化財に指定されている。
拝殿の天井には狩野元信による丸竜が描かれ、
どこから眺めても自分の方をにらんでいるように見えるところから「八方にらみの竜」と呼ばれる。
地主権現社
江戸時代までは清水寺の鎮守社で地主権現社といったが
明治に入り神仏分離令により清水寺から独立して社名を地主権現社から地主神社へと改めた。
歴史的経緯から清水寺の一部という形でユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」に登録された。
恋占いの石
境内にある10メートルほど離れてたつ、
縄文時代の祭祀遺物である2つの守護石「恋占いの石」。
目をつぶって、その石から石に辿り着けば恋が叶うとされている。
縁むすびの社
縁むすびの神さま大国主命を主祭神とする地主神社の境内には、
国の重要文化財に指定された総門、本殿、拝殿、
縁結びの神「良縁大国」、
商売繁盛の神「栗光稲荷社」、
撫でると御利益があるという大黒天「撫で大国」、
一願成就の守り神で女性の信仰を集める「おかげ明神」、
水をかけて祈願すると御利益がある「水かけ地蔵」があり、
境内地全体も国の重要文化財に指定されている。
のろい杉
一願成就の神様「おかげ明神」の後方にある御神木「いのり杉」。
この御神木は、江戸時代に女性の間で流行した「丑の刻参り」に使われ、
今ものろいの願をかけ、五寸釘を打ち込んだ跡が無数に残っている。
丑の刻参り‥神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込むという、日本に古来伝わる呪いの一種
清水寺と地主神社
神仏分離により清水寺から独立する前は
清水寺の本堂の真北の高い位置に地主神社の社殿があり
その配置からも密接な関係がうかがえる。
清水寺の開創の起源であり、寺名の由来となっている本堂の下の「音羽の滝」。
こんこんと湧いている霊水は古来「金色水」「延命水」などと呼ばれた。
霊水の湧く地として山岳信仰の修業の場や、
礼拝空間として地主神を祀る神社が建立されたのではないか。