歴史的価値のある国の史跡
近代には宮内省の所管となり、「二条離宮」を経て、現在の「二条城(元離宮二条城)」して一般公開された。
明治期には、離宮としても重要な役割も果たした。
創建時の姿を今に伝える二の丸御殿(6棟)が国宝に指定され、
22棟の建造物と二の丸御殿の障壁画計1016面が重要文化財に指定されている。
広大な敷地内には二の丸庭園、本丸庭園などの美しい庭園が広がり、二の丸庭園は国の特別名勝に指定されている。
歴史的な価値から城内全体が国の史跡に指定され、ユネスコ世界遺産(世界文化遺産)に「古都京都の文化財」として登録されている。
元離宮二条城の造り
本丸と二の丸があり、
二の丸の周りには外堀が造られ、
出入り口として正門の東大手門、北大手門(普段は閉鎖)から、
本丸と二の丸の間には内堀があり、本丸櫓門から入ることができる。
将軍滞在の城としては規模も小さく防御能力に問題がありそうだが、
家臣の疑問に対し家康は
「一日二日も持ちこたえれば周辺から援軍が来る」
「万が一この城が敵の手に落ちたら堅城だと取り返すのに手間がかかる」
と答えたと伝えられる。
国宝・二の丸御殿
東大手門から入って正面の西方に建つ二の丸御殿は、
6つの建物が雁行に並び、廊下で接続され一体となり
すべての棟が国宝に指定されている。
建物の各室の床や襖などには狩野探幽ら狩野派の絵師による障壁画が描かれている。
当初柱の銅版は金箔押しであって、現在現存している物より遥かに華やかなものだった。
特別名勝・二の丸庭園
特別名勝に指定されている桃山様式の池泉回遊式庭園、別名「八陣の庭」。
小堀遠州の代表作として挙げられることも多い。
池には3つの島が浮かぶ。
池の中央やや北よりにもっとも大きい蓬莱島があり、
その北に亀の形と鶴の形に石が組まれた亀島と鶴島がある。
蓬莱島は亀島と共に見えるアングルからは鶴の形に、
鶴島と共に見えるアングルからは亀の形に石が組まれていて、
常に鶴亀の一組を表現する趣向となっている。