京都府 » 京都市

しば漬け

(しばづけ)

鮮やかな赤紫色と、強い酸味が特徴。日本を代表する漬物のひとつ

加茂茄子を刻んだ赤紫蘇の葉で塩漬けにした「しば漬け」は、伝統的な京都の漬物であり、『すぐき』、『千枚漬』と並ぶ【京都の三大漬物】と言われる逸品。その由来は、壇ノ浦で滅亡した平家の中で、1人生き延びた建礼門院が、そのしその葉の色から「紫葉漬け」と呼んだことから名付けられたと言われている。京都・大原ではナスやミョウガ、しそなどが古くから漬けられている。それらを刻んで塩漬けにしたものでしば漬けで、紫蘇の赤紫色が鮮やかで、酸味が強いのが特徴的。

京都は地下水が豊富に湧く地域で、古来から各地で野菜の栽培が行われてきました。これにより、野菜を活用した漬物文化が発展し、特に「しば漬け」は京都市の代表的な漬物とされ、「すぐき漬け」と「千枚漬け」とともに「京都三大漬物」と称されています。この漬物は、なすやきゅうり、みょうがなどをしその葉とともに塩漬けにしたもので、鮮やかな紫色と酸味が特徴です。

京都市左京区の大原地区は、「赤しそ」の産地として有名で、発色や香りが高く評価されています。この地域は地理的な条件から、原品種に近いとされています。

「しば漬け」の発案者は、大原の名刹である三千院の僧侶、聖応大師とされています。漬物が「しば漬け」の名前を持つ由来としては、高倉帝の皇后である建礼門院に関連があると言われています。彼女にしそを使った漬物が献上され、その味に喜ばれたことから、「紫葉漬け(むらさきはづけ)」と命名されたと伝わります。このような経緯から、大原地区では「しば漬け」が庶民の食卓に欠かせない一品となっています。

「しば漬け」は長期保存が可能で、通年楽しむことができます。京都内外の直売所やスーパーマーケットで手軽に入手できるほか、漬物業者にとっても欠かせない商品となっています。この美味しい漬物は、ご飯のお供やおつまみとして広く愛されています。

大原地区では、しその収穫時期に合わせて「赤しそ開き」が毎年7月1日から31日まで開催され、行事初日には「赤しそ法要」が執り行われます。さらに、漬物作りの体験などが行われ、地域の風習を楽しむ機会となっています。

「しば漬け」の食べ方は簡単で、カットしたなすやきゅうりをしその葉と塩で和えて、水分を絞った後、漬物容器に移して数日間寝かせます。発酵が進むと、ご飯のおかずやお酒のつまみとして楽しむことができます。

主な伝承地域;:京都市
主な使用食材:しそ、きゅうり、なす、みょうがなど

Information

名称
しば漬け
(しばづけ)

京都市

京都府