京都市北部の左京区に広がる貴船・鞍馬・大原エリア。貴船神社や鞍馬寺、三千院など幽玄な神社仏閣が点在するほか、夏の川床や秋の紅葉などを楽しむことができます。
貴船・鞍馬・大原には、貴船神社、宝泉院、勝林院、実光院、三千院、由岐神社などの観光スポットがあります。
また、京料理、ゆば料理、そばなどのご当地グルメもおすすめです。
別名の銀閣寺として知られているが、正式名称は慈照寺(じしょうじ)。室町幕府の8代征夷大将軍、足利義政が子に将軍職を譲った後、山荘「東山殿」として造営。書画や茶の湯に親しむ風流な隠栖生活を送った。 1482年に東山殿が創建、足利義政の死後に禅寺に改め、慈照寺となった。 銀閣(観音殿)は国宝、庭園は国の特別史跡および特別名勝に指定。慈照寺はユネスコの世界遺産(文化遺産)「古都京都の文化財」に登録されている。 銀閣は、金閣、飛雲閣(西本願寺境内)とあわせて京の三閣と呼ばれる。...»
京都を流れる鴨川の水源地に鎮座し、水の神様を祀る全国に約500社ある貴船神社の総本社。 貴船山と鞍馬山に挟まれた森林鬱蒼とする山峡にあり、社前には賀茂川の上流に位置する貴船川が流れる。 創建年代は不詳だが、平安京遷都以降、水源を守る神として皇室からも格別の崇敬を受けてきた。 日照りや長雨が続いたときには雨乞いや雨止めの神事が行われ、水の神様として農業・酒造業など水に関わりのある人々から広く信仰されている。...»
三千院は、天台宗の寺院であり、京都市左京区大原来迎院町に位置しています。その歴史は古く、天台五ヶ室門跡の一つとしても知られ、洛北屈指の霊地としても有名です。本堂の往生極楽院は重要文化財に指定されており、梅雨期のアジサイや秋の楓が見事です。 三千院の概要 本尊: 薬師如来 山号: 魚山(ぎょざん) 三千院は8世紀、最澄の時代に比叡山に建立された円融房に起源を持ち、後に比叡山東麓の坂本(現・滋賀県大津市坂本)に移されました。たび重なる移転の後、1871年(明治4年)に現在地に移りました。「三千院」という寺名は大原に移転して以降使われるようになったもので、それ以前は「円融院(円融房)」「円徳...»
1895年、平安遷都1100年を記念して創建された神社。24mの高さがあり、国の登録有形文化財になっている大鳥居が神宮道をまたぐ。鮮やかな朱色と緑に塗りわけられた社殿は、朝堂院を模している。広大な庭園には珍しい鳥類や、甲羅に草を生やすミノガメ、本州ではここでしか生存が確認されていない南石亀などが生息する。 概要 平安神宮(へいあんじんぐう)は、京都市左京区に位置する神社で、1895年に平安遷都1100年を記念して創建されました。平安京を象徴する建物として、明治時代の京都博覧会の一環として建立され、その美しい朱塗りの建物と広大な敷地が特徴です。 歴史 平安神宮は、平安時代の初代天皇である...»
京都最古級の社のひとつ、正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。同じく京都市にある賀茂別雷神社(上賀茂神社)の2つの神社を合わせて賀茂神社と呼ばれる。 境内は史跡に指定され、賀茂御祖神社 2棟の東本殿と西本殿が国宝に、楼門、舞殿、神服殿、四脚中門など31棟の建造物が重要文化財に登録されている。ユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」の1つ。...»
「納涼床」とも呼ばれる関西の夏の風物詩。鴨川の源流、貴船川のすぐ上に木組みによる床が設置され、山峡の青々とした木々の中をそよぐ風、貴船川のせせらぎを聞きながら京料理が味わえる。 貴船の川床の概要 貴船の川床は、京都府京都市左京区に位置する、風情ある川辺のレストランで、自然豊かな環境の中で食事を楽しむことができます。特に夏の時期に多くの観光客が訪れるこのエリアは、貴船川の流れに沿って設けられた川床で、涼やかなひとときを提供しています。 歴史と背景 貴船の川床は、古くから京都の風物詩として親しまれてきました。川床の文化は、平安時代から続いていると言われ、貴船地区はその代表的な場所とされてい...»
20時になると、まず東山の如意ヶ嶽(ニョイガタケ)に「大」が灯され、松ヶ崎西山・東山の「妙法(ミョウホウ)」、西賀茂船山の「船形(フナガタ)」、大北山の「左大文字(ヒダリダイモンジ)」、曼荼羅山の「鳥居形(トリイガタ)」に次々と点火され、約30分間、火は静かに燃え続けます。 概要 五山送り火(ござんのおくりび)は、毎年8月16日に京都市で行われる伝統的な行事で、夏の風物詩として知られています。この行事は、お盆に帰ってきた祖先の霊を再び送り出すためのものです。送り火は五つの山で焚かれ、それぞれの山に異なる火の形が描かれます。 起源と歴史 五山送り火の起源は定かではありませんが、平安時代か...»
牛若丸修行の地として知られる寺。深い木立ちの中に本堂,金堂などが点在,鞍馬山霊宝殿もある。概要 鞍馬寺(くらまでら)は、京都市左京区鞍馬本町に位置する日本の仏教寺院で、天台宗に属しています。山岳信仰の寺としても知られ、その美しい自然環境と歴史的な背景から、多くの参拝者や観光客が訪れます。 歴史 鞍馬寺の創建は奈良時代に遡ります。770年に鑑真の高弟である鑑真の弟子、鑑禅によって創建されたと伝えられています。平安時代には、武士である源義経が幼少期を過ごした場所としても有名です。義経は、この地で天狗から武術を学んだとされ、その伝説が多くの人々に親しまれています。 建築と境内 鞍馬...»
磨かれた床や机に映る紅葉が美しいことで知られ、春と秋の一般公開時には多くの人が訪れる。 もともと別荘として大正末期から昭和にかけて造営されたもので、1万2000坪の敷地に数寄屋造りの建物と日本庭園がある。 その後に別荘から高級料理旅館「喜鶴亭」となって営業した後、2005年に寺院となった。 通常は非公開だが、春と秋に公開していて、書院2階の机の天板に庭のカエデが映り込む光景で有名に。...»
回廊で結ばれた諸堂が並ぶ。古来より紅葉の名所として名高く、みかえり阿弥陀如来(重文)も有名。【創建年代】平安初期 概要 禅林寺(永観堂)(ぜんりんじ えいかんどう)は、京都市左京区にある浄土宗西山禅林寺派の総本山です。通称「永観堂」として知られ、特に秋の紅葉の名所として有名です。初めは真言宗の寺院として創建されましたが、平安時代後期に浄土宗に改宗しました。 歴史 禅林寺の創建は、853年に遡ります。真紹僧都が文徳天皇の命により創建し、当初は真言宗の寺院として機能していました。その後、平安時代の永観元年(1053年)に、永観律師が住職となり、浄土宗に改宗しました。この時期から「永観堂」と...»
南禅寺近く、琵琶湖疏水に沿って敷設された蹴上インクライン。全長582m・高低差約36mの明治期の傾斜鉄道跡だ。 水車動力・舟運・灌漑・精米水車などの目的で作られた琵琶湖疏水。船ごと台車に乗せ線路上を走らせた傾斜鉄道が蹴上インクラインだ。 桜約90本のソメイヨシノが植えられ、線路の上を歩きながら花見を楽しめる。シーズン中でも、早朝に行けば夢のような風景を独り占めできるかも。 地下鉄蹴上駅から地上に出ると途端に満開の桜が視界に広がり、インクラインから哲学の道への散策や、隣接する京都市動物園を巡るコースがおすすめだ。入場無料の琵琶湖流水記念館にも立ち寄りたい。 明治期の線路を彩るソメイヨシノ...»
市主催の公募展や国内、海外の特別展などのほか、美術団体の展覧会の貸会場になる。収蔵品は明治以降の京都を中心とした日本の近・現代美術を中心に約2900点。京都市美術館の概要 京都市美術館は、京都府京都市左京区に位置する、日本を代表する美術館の一つです。1933年に開館し、長い歴史を誇ります。2020年には大規模な改修工事を経て「京都市京セラ美術館」として再オープンしました。この美術館は、近現代の美術作品を中心に展示し、京都の文化と芸術の発信地として重要な役割を果たしています。 歴史と背景 京都市美術館の前身は、1933年に設立された「京都市立美術館」です。これは日本国内で二番目に古い公...»
かつて付近一帯が野兎の生息地であったことから、兎が氏神様の神使とされ、境内のあちらこちらにウサギの石像が存在する。 794年に平安京遷都(奈良から京都に首都を移した)の際に、王城鎮護のため平安京の四方に建てられた社の一つとされ、都の東に鎮座するころから「東天王」ともいわれる。 安産の神とされる他、多産である兎が神使であること、祭神の速素盞鳴尊と奇稲田姫命に子供が多いことから子授けの神ともされ、神社創建の由来から方除けの神ともされている。...»
日本初の人工海水のみを利用した水族館で、3階建ての日本最大級の内陸型水族館。 高さ6メートルの日本海を表現した大水槽や、日本の原風景を再現した京の里山ゾーン、パフォーマンス空間を兼ねたイルカスタジアムなど、自然を感じられるこだわりの展示。 鴨川に生息する国の特別天然記念物・オオサンショウウオを始め、ゴマフアザラシやケープペンギンなどを含む動物約250種・総数約1万5000匹を見ることができる。...»
明治36年、日本で2番目の動物園として開園。動物約130種、500点。京都市左京区岡崎にあることから、岡崎動物園とも呼ばれている。日本初の繁殖例が多くあることでも知られる。 京都市動物園 京都市動物園(きょうとしどうぶつえん)は、京都市左京区に位置する、日本で二番目に古い歴史を持つ動物園です。1903年に開園し、市民に親しまれるレジャースポットとして長い歴史を誇っています。 歴史と背景 京都市動物園は、1903年4月1日に開園しました。当初は「京都府動物園」として設立され、東京上野動物園に次ぐ日本で二番目に古い動物園として知られています。開園当初は、アジアゾウやトラ、クマなど限られた動...»
岡崎公園の一隅、京都市美術館の向い側にある。収蔵品は、日本画が約950点、洋画が約550点と、河井寛次郎の陶芸作品が約430点、欧米の写真コレクションが約1000点。 概要 京都国立近代美術館(Kyoto National Museum of Modern Art)は、京都市左京区岡崎に位置する日本の主要な美術館の一つです。主に明治時代から現代に至る日本および海外の美術作品を収蔵し、展示しています。1963年に開館し、その後1997年には新しい建物に移転しました。多様なコレクションとともに、特別展や教育プログラムも充実しており、美術愛好者から家族連れまで幅広い層に親しまれています。 歴史...»
四季の草花や、数百種の宿根草のある宿根草園、また自然林など、自然の植生を重視した構成で、約1万1000種10万本の植物を植栽しています。毎週水曜日には植物園芸相談を行っている。’91年秋には、日本最大級の温室が完成した。 概要 京都府立植物園は、京都市左京区に位置する日本で最も歴史ある植物園の一つです。1924年に開園し、広さ24.2ヘクタールの敷地内には、約12,000種類もの植物が植栽されています。四季折々の美しい風景が楽しめるため、地元の人々や観光客に愛されています。 歴史と背景 京都府立植物園は、大正時代の1924年に開園しました。設立当初から植物学の研究や教育、観光の場として...»
石川丈山隠棲の山荘跡。狩野探幽筆の中国三十六詩仙の肖像が掲げられた詩仙の間からこの名が由来する。現在は曹洞宗の寺。 詩仙堂 丈山寺とは 詩仙堂 丈山寺(しせんどう じょうざんじ)は、京都市左京区一乗寺に位置する江戸時代初期の文化人・石川丈山によって建てられた山荘です。詩仙堂は、その名の通り、中国の詩人たちの肖像画が飾られていることから名付けられました。この場所は、静かな佇まいと美しい庭園で知られ、多くの観光客や文学愛好者が訪れます。 歴史と背景 詩仙堂は、1641年(寛永18年)に石川丈山によって建てられました。石川丈山は、徳川家康に仕えた武士であり、後に隠遁生活を送ることを決意し、こ...»
東山を借景に、琵琶湖疏水の水を引き入れた池泉回遊式庭園で、明治の元勲山県有朋の別荘の庭。七代目小川冶兵衛(植冶)の作で、明治時代の名園として国の名勝に指定されている。【築庭年代2】1895年 無鄰菴庭園とは 無鄰菴庭園(むりんあんていえん)は、京都市左京区南禅寺草川町に位置する日本庭園で、明治時代の元老・山縣有朋(やまがたありとも)の別邸として知られています。この庭園は、七代目小川治兵衛(植治)によって設計され、1894年から1896年にかけて作庭されました。無鄰菴庭園は、その美しい景観と歴史的価値から、多くの観光客や庭園愛好者が訪れる名所です。 歴史と背景 無鄰菴庭園は、明治時代の政...»
黒谷さんの愛称で親しまれている浄土宗大本山。法然上人が比叡山を下りて草庵を結んだのが始まり。幕末に会津藩京都守護職の本陣となり、近藤勇らを配下としたので新選組発祥の地と言われている。徳川秀忠夫人崇源院(江)の供養塔もある。【創建年代】1175年 金戒光明寺とは 金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)は、京都市左京区黒谷町に位置する浄土宗の大本山の一つです。一般には「黒谷さん」として親しまれています。この寺は、浄土宗の開祖である法然上人によって建てられ、歴史的な建築物や美しい庭園、豊富な文化財が見どころとなっています。 歴史と背景 金戒光明寺は、1175年(安元元年)に法然上人によって創建さ...»
本堂、三重塔、表門などがたち並ぶ。国宝の法華経六巻は、仏師運慶の願経として知られる。紅葉の名所としても有名。【創建年代】984年 真正極楽寺 真如堂とは 真正極楽寺 真如堂(しんしょうごくらくじ しんにょどう)は、京都市左京区に位置する、浄土宗の寺院です。この寺は、京都の観光名所の一つであり、特にその美しい庭園と歴史的な建築で知られています。真如堂は、平安時代に創建され、長い歴史と伝統を持つ寺院です。 歴史と背景 真正極楽寺の歴史は、平安時代に遡ります。創建時期については諸説ありますが、一般的には9世紀の終わりから10世紀初頭にかけて建立されたとされています。創建者は、浄土宗の宗祖であ...»
日本の禅寺の中で最も格式の高い寺院で、京都五山の一つに位置しています。特別な寺院として扱われており、石川五右衛門の伝説で有名な三門をはじめ、堂塔伽藍が美しく立ち並んでいます。 方丈庭園は小堀遠州によって作られた「虎の子渡し」として知られ、江戸時代初期の代表的な枯山水庭園です。事前に予約をすれば、座禅などの体験ができ、南禅会館で宿泊もできます。 二層からなる三門は高さが22mもあり、印象的です。国宝である方丈は、大方丈と小方丈から成り、どちらも狩野派の画家である狩野元信や狩野探幽らによる美しい襖絵が見られます。 南禅寺は、山号が瑞龍山で、南禅寺派の大本山です。本尊は釈迦如来です。無関普...»
明治27年(1894年)から3年かけて造営された山縣有朋の別荘です。 南禅寺のすぐ西側に位置する無鄰庵は、広大な庭園と母屋・洋館・茶室の美しい3つの建物からなる京都の名勝です。 庭園は明るい芝生と琵琶湖疏水を取り入れた池泉廻遊式庭園で、近代的な日本庭園の先駆けとされます。 山縣は政財界の動きにより、東山の別荘地としてこの地を選びました。無鄰庵は「無鄰菴会議」が行われた場所でもあり、歴史的な要人の交流の舞台となりました。 無鄰庵の建物と庭園 無鄰庵は木造平屋建ての数寄屋造りの母屋、藪内流燕庵の茶室、二階建ての煉瓦造り洋館、そして広大な庭園からなります。 庭園は七代目植治によって作庭さ...»
「京都の歴史の分だけ京料理の歴史がある」。茶道とともに発達してきたた懐石料理は、一汁三菜の形式を持つコース料理で、お茶会などで来客をもてなす料理のことを指していた。しかし、時代の流れとともに、料理屋でも懐石料理が提供されるようになり、現代では一汁三菜の形式にこだわらない様々なアレンジを加えた懐石料理が楽しめるようになった。”京懐石”は、京野菜などの繊細な素材を、その素材の持ち味をいかした薄い味付けで楽しむという特長がある。京都の土地や歴史を感じられる雰囲気もあわせて楽しんで欲しい。...»
「おばんざい」とは、京都の庶民が日常に食べているおかずのこと。その特徴は旬の食材や手ごろな食材を用いて、手間をかけずに作れること。本来の食材が持つ味をいかしたシンプルな味わいは薄めの味付けで、毎日食べても飽きることがない。中でも地のものや、旬の食材を用いたおばんざいは美味しい。 「おばんざい」は、京都の伝統的な家庭料理で、長い歴史を持つ一般的な惣菜のことです。この言葉の「番」は、通常の食事や質素な料理を指す言葉と関連しています。元々は京都以外でも使用され、庶民の食事における日常的なメニューを指す言葉でした。 京都のおばんざいは一般的には薄味で、鰹節、昆布、椎茸を使用した煮物が多いです。近郊...»
京都のラーメンは京料理のイメージからあっさりしたものだとイメージしがちだが、実は全国でも屈指の濃厚ラーメン地帯になる。一般的に京都ラーメンは次の3つに分けられる。1、『新福菜館』や『第一旭』(昭和28年創業)を代表とする動物系清湯ベースの醤油ラーメン。昭和13年に屋台を引き始めた昭和19年に店舗を構えた『新福菜館』が草分け。 2、『天下一品』(昭和46年創業)、『天天有』(昭和49年創業)を代表とする鶏もしくは豚ベースに野菜を加える濃度の高いスープ。『天下一品』が全国にチェーン展開し、京都のドロドロスープが全国区に。 3、昭和22年創業、『ますたに』を代表とする鶏ベースのスープに背脂が振りかけ...»
活はもでないと作れない!見た目にも涼やかな夏のはも料理の定番 京都の料理屋では、職人の確かな技が光る「鱧の骨きり」。この骨きりした鱧を湯引きにしたのが、鱧料理の定番「はもの落とし」だ。鱧はくせのない上品な味の魚だが、小骨が多く、骨切りなしには食べることができない。骨切りは、鱧を開いてから骨切り専用の包丁で皮1枚を残し、数ミリ間隔で身と骨を切る。「はものおとし」は、活はもでないと作れない。湯引きしてさっと氷水に通して身を引き締め、冷やした器に梅肉、芥子酢味噌などで食べる、見た目にも涼しい、夏の料理。 旬 6月 7月 8月 ハモは骨を取り、湯でさっと茹で、それから急速に氷水に通して...»
奈良時代に中国より伝わり、長い間、僧侶や貴族など、限られた人のみが食していた豆腐。庶民に広がったのは室町時代以降で、それ以来、水のキレイな京都で盛んに作られるようになった。江戸時代には、社寺の門前で精進料理を参拝者にふるまうお店が増え、南禅寺の門前のお店が出していた“湯豆腐”がおいしいと評判となり、これが湯豆腐が京名物となったきっかけだともいわれるが、その発祥は未だに定かではない。昆布出汁で豆腐をゆでて、薬味とぽん酢で食べる。シンプルで奥深い味わいが楽しめる。...»
「手桶」に料理を盛り込み、季節のご飯と汁物を添え京料理を気軽に味わえる弁当のこと。創案したのは、京都岡崎の京料理「六盛」二代目当主の堀場吉一。当時、縄手三条を下がったところにある「たる源」の 店先で冷奴入れの桶に眼をとめ、「料理の器に使えないか…」と、ひらめいたのが始まりだとか。盛り付けに工夫をこらし、青竹の輪器を真中に、和え物、出し巻き、串刺しのかまぼこ、南京、きぬさや、焼き魚、ひめたけ、小芋、わらび、麩まんじゅう、椎茸に海老などを盛り込んだ。...»
「ゆば」とは、豆乳を煮た時に表面に出来る薄い膜をすくいとったもののこと。発祥は各寺院の精進料理とされ、たんぱく質や脂肪に富んだゆばは、当時の貴重な健康食品だった。寺社仏閣が多く、政治や文化の中心地として栄えた京都では、茶懐石精進料理、京料理の貴重な食材として重宝され、今日まで伝承されてきている。また、京都のゆばや京豆腐が美味しいと有名なのは、山に囲まれた京都盆地の、豊かで良質な水のおかげともいわれる。...»
聖護院だいこんはカブのような丸い形の大根で、文政年間、聖護院に住んでいた篤農家が尾張の国から譲り受けた長大根を栽培し、採種を続けるうちに丸型に変種して、品種として固定したと言われる。聖護院大根の旬は、12月~2月。煮崩れしにくく、また、苦みが少なく甘いので、煮物用に好まれて利用される冬には欠かせない食材。 京丹後市では、規格外の大根をこの地方で“イカ干し”と呼ばれる独特の切り方で加工し、「京野菜の干し聖護院大根」として出荷している。 旬 12月 1月 2月...»
豊臣家の滅亡とともに、聚楽第付近の住民の捨てるゴミで埋められた堀である肥沃な土壌で、農民が越年で巨大なごぼうを作り、収穫したのが起源と伝えられている。太く短い根が特徴の京野菜で、秋に香り高くなるごぼうの中でも、特に香気が良く繊維が軟らかなのが特徴で、筒切りにし中の空洞を生かした肉や海老しんじょの詰め物料理が有名だが、きんぴらや炊き込みごはんにも最適。一般のごぼうに比べても食物繊維、ビタミンB1などの含有量が高く、特にビタミンC は約3倍多く含まれている。 旬 11月 ...»
酒田市の南禅寺屋が発祥といわれている半球形の豆腐。江戸末期にお伊勢参りにでかけた主人が道中、病に伏せ、京都の禅寺「南禅寺」で養生していたところ、寺のそばにあった豆腐屋で丸くやわらかな豆腐に出会ったことがはじまり。製法を学んで庄内に持ち帰り、寺の名前を名づけた豆腐は、たちまち評判となり、庄内に広まった。今では夏に欠かせない一品となっている。甘みがあり、つるっとした食感の豆腐は、例年5月から9月ごろめで限定で販売される。 旬 5月 6月 7月 8月 9月 ...»
創業は今をさかのぼるところ約320年前の元禄2年(1689年)。近代筝曲の開祖といわれる八橋検校が亡くなり、黒谷参道の聖護院の森の茶店で、琴の形に似せたお菓子を発売したことに由来したものだという。八ッ橋自体は米と砂糖を使ったシンプルなお菓子だが、色や風味はもちろん柔らかさ、歯触り、コシの強さなど独特の品質を守るために厳選した米を使用している。中にはじっくり炊き上げたほどよい甘さの粒あんがたっぷり。口に運ぶと広がるニッキの香りもくせになる味わいのひとつ。...»
”抹茶”はてん茶を粉末状にしたもので、京都での生産量は全国トップクラス。原料となるてん茶に用いる葉は、直射日光を遮って栽培することで、茶葉が薄く育ち、うまみとコクが増すという。その葉を蒸して、もまずに乾燥させたのち、丁寧に葉脈などがとり除かれて葉の部分だけを粉にして完成だ。和のイメージが強い抹茶だが、甘みを上品に仕立ててる風味を持つことから、欧州でも定番の素材として使われており、抹茶を加えた洋菓子も多く作られている。...»