成相山の正式名称は鼓ヶ岳(つづみがたけ)で、京都府北部の丹後半島に位置する標高569メートルの山です。山腹には「天橋立股のぞき」で有名な傘松公園があり、山頂からは宮津湾を一望することができます。この山は、その美しい景観と歴史的なスポットで、多くの登山者や観光客を魅了しています。
成相山の登山道の起点は、傘松公園付近に位置しています。中腹には、西国三十三所第28番札所である成相寺があり、その境内には樹齢600年を誇る「逆杉(さかすぎ)」がそびえ立っています。この逆杉は「京都の自然200選」にも選ばれており、自然愛好家にとって見逃せないスポットです。また、この杉を過ぎると、天橋立や阿蘇海、宮津湾などを見渡すことができる成相山パノラマ展望所に到着します。ここからの眺めは、まさに絶景であり、多くの人々がその美しさに心を奪われます。
成相山の山頂には、宮津中継放送所の鉄塔がそびえており、展望台も設置されています。この展望台までは、車でアクセス可能な丹後縦貫林道が通じており、手軽に訪れることができます。山頂からは、天橋立が見え隠れする美しい景色を楽しむことができるほか、丹後半島の最高峰である高山や、京都府と福井県の境に位置する青葉山、南方に広がる大江山や三岳山などの壮大な景観を楽しむことができます。四季折々に変わる自然の美しさは、訪れるたびに新たな発見をもたらしてくれるでしょう。
傘松公園は、天橋立の北西に位置し、丹後海陸交通が運営する人気の観光スポットです。公園の展望台からは、「斜め一文字」と呼ばれる天橋立の眺望を楽しむことができます。特に「股のぞき」を行うことで、天地が逆転し、まるで天にかかる橋のように見える天橋立の幻想的な風景を体験できます。
さらに、公園内には「天橋立パノラマハウス」があり、レストランや軽食コーナー、売店などが併設されています。ここで地元の特産品を購入したり、丹後の味覚を堪能したりすることができます。また、傘松公園からは、成相寺へのバスも運行されており、アクセスも良好です。
傘松公園内には、籠神社の祭神である天火明命(あめのほあかりのみこと)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が降臨したとされる「冠島」「沓島」を遥拝するための場所も設けられています。これらの島々は、神聖な場所とされ、古くから多くの信仰を集めています。
天橋立を挟んで対岸には「天橋立ビューランド」があります。ここからの眺めは「飛龍観」と呼ばれ、また一味違った天橋立の景色を楽しむことができます。この展望台は、家族連れやカップルに人気のスポットであり、天橋立の多様な表情を楽しむことができます。
成相山とその周辺は、自然の美しさと歴史的な背景が融合した魅力的なエリアです。訪れる人々にとって、ここでの時間は忘れがたいものとなるでしょう。
【標高】569
KTR天橋立駅/車/30分,汽船~ケーブル~バス成相寺40分